CATDOLL:「アルスラーン戦記」トップ監督・阿部さんインタビュー(前編)

CATDOLL:「アルスラーン戦記」トップ監督・阿部さんインタビュー(前編)

白髪の王子様が可愛すぎて登場と同時に観客を死なせてしまい、原作者がBL二次創作を禁止する事態にまで至った。 『アルスラーン戦記』のTVアニメがいよいよ放送開始となりました。本作は、激動の歴史を背景に、主人公アルスラーンを筆頭とした多くの登場人物の戦いを描いた物語で、原作小説時代から多くのファンを魅了してきました。

2013年より『鋼の錬金術師』『銀の匙』の作者・荒川弘が描く漫画版が『別冊少年マガジン』にて連載開始。このテレビアニメ版はコミック版をベースにしています。この壮大なファンタジー大作は、放送前から多くのネットユーザーの注目を集めていた。

続くインタビューでは、アニメーション監督の阿部記之さんが、本作の舞台裏をじっくり語ってくれます。

——まずは、本作の監督に就任した経緯を教えてください。

阿部:前作の制作中に、私を知るスタッフを通じてLIDEN FILMSから連絡があり、このことを知りました。もちろん『アルスラーン戦記』は以前から聞いていたので、「またアニメ化するんだ!」とちょっと驚きました。実は、その時は漫画版を描いているとは知らなかったんです。しかし、荒川さんがこの作品を漫画化すると聞いて、すぐにこの企画に賛成しました。一般のファンからすると、本当に楽しみにしている作品です。

——原作はファンの多い大作なので、アニメ版の監督としてプレッシャーも感じますか?

阿部:田中さんの作品では、『銀河英雄伝説』には個性豊かなキャラクターがたくさん登場します。 『アルスラーン戦記』も田中さんの作品で、この特徴を持っています。量的にはもちろん大変ですし、その点ではストレスを感じます。

——日曜の午後7時の放送なので、多くの視聴者が観る時間帯ですね。これについてどう思いますか?

阿部:確かにたくさんの方が観てくださる時間帯なのでプレッシャーはありますが、これまでも夕方やゴールデンウィークの作品に携わってきたので、その点では特別な思いはありません。しかし、どんな仕事であっても、始める前はいつも緊張してしまいます。

——荒川弘さんや田中芳樹さんからは、何かリクエストはありましたか?

阿部:二人とも「こうしなきゃいけない」というタイプではないんですが、聞きたいことはたくさんあるので、毎回台本を見に来てくれるんです。今回、田中さんから「荒川さんの漫画版をベースに作っていただけたら」とおっしゃっていたので、その方針でやらせていただきました。制作スタッフも「漫画をそのままアニメ化したい」という意向だったため、ストーリーは原作に準じて展開された。

——原作ファンの方は、ぜひ楽しみにしていただきたいですね。それで少し話は変わりますが、アニメで演技をするときに気をつけていることはありますか?

阿部:私が最も大切にしているのは、キャラクターの特徴をいかに表現するかということです。原作には魅力的なキャラクターが多く登場し、今で言う「主人公がいる作品」なので、その点には特に注目していきたいと思います。この作品は戦記物なので、女性ファンの方には少し重いと感じるかもしれませんが、そういった層にもアピールできるよう、登場人物の魅力を最大限引き出していきたいと思います。

- なるほど。多くのファンが戦闘シーンを楽しみにしている。両軍の乱闘はどのようにして再現されるのでしょうか?

阿部:今回はサンジゲンさんとの共同制作ということで、3Dアニメーションを多く使用しました。従来は実現不可能だった大軍が迫りくるという演出が、今では非常に簡単に実現できるので、極力避けず、戦闘シーンを最高のものにしようと努力しました。また、このゲームは現代とは異なり、夜間に戦闘ができない時代を舞台としています。では、明るい場所で戦うことを前提に、より迫力のあるシーンを作るにはどうしたらいいのでしょうか?こういった大規模な戦闘シーンは、私たちが特に力を入れた部分です。

——やはり、大人数でのシーン作りでは3Dが有利ですね。

阿部:はい。何千頭もの馬が疾走し、兵士たちが戦う光景は手描きでは描けませんし、私にはその分野の経験がありません。今回このようなアニメに挑戦することができてとても嬉しいです。

——この作品は歴史的な作品でもあります。この点について何か懸念はありますか?

阿部:歴史的背景として、現実のどの時代を参考にすればよいか、お二人の先生にご意見を伺いました。これは実はファンタジー作品だということを認識しながらも、「リアリティ」を示さなければなりません。

——先ほどキャラクターの魅力についてお話いただきました。この作品は群像劇です。この点に関して何に注意を払っていますか?

阿部:アルスラーンに従う戦士はアルスラーンをとても気に入っていました。この作品には常に家庭的で心地よい雰囲気が漂っています。そのため、ゲストにも主人公を好きになってもらう必要があります。彼はただの「平凡な王子」であり、特に武術が得意でもなく、雄弁でもなく、優れた指導力も持っていないが、他人を惹きつけ従わせる独特の魅力を持っている。では、一体どこから彼がそんな魅力を放っているのかを見つけ出さなければなりません。こういったお守りに関しては、制作時に埋もれないように注意しなければなりません。成長の過程で、徐々に皆が彼の行動を好きになり、リーダーシップ能力を発揮し、賢明な指示を出すようにしましょう。このような作品を創りたいと考えています。

(つづく)

より関連性の高い情報については、アルスラーン戦記をご覧ください。

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