今年7月から「オーバーロード」という作品に注目し始めたアニメファンは多いと思います。同名ライトノベルを原作としたこのアニメは、アニメーション監督伊藤直樹氏の最新作でもある。最近、いくつかのメディアが彼にインタビューし、監督自らが作品の魅力を語った。 Q:伊藤監督はこれまでも数多くのアニメーション作品の制作に携わってきました。 『オーバーロード』の制作に大きな影響を与えたものはありますか? 伊藤:意外にも『ちはやふる』を選びました。 Q:ああ。これは本当にちょっと驚きです。やはり『ちはやふる』は語り合い競技をテーマにした少女向けの作品であり、性質が大きく異なります。 伊藤:はい。具体的にどこに影響があるかというと、「プロットの書き方」だと思います。ストーリーが面白ければ、面白いアニメーションが作れるといつも思っています。 Q:確かに、グラフィックやアクションは素晴らしいのに、ストーリーが面白くないアニメもあります。 伊藤:私はもともと絵描きなので、アクションシーンが面白いアニメも好きです。しかし、結局のところ、「素晴らしいアニメーション」は必ずしも作品の質を意味するわけではありません。これについては長い間考えていました...プロットがうまく実行されれば、自然に面白くなり、素晴らしいアニメーションになると思います。しかし、周りの人がプロットについて話すとき、手に負えない問題を抱えていることがよくあります。そんな悩みを抱えていたときに、MADHOUSEの方から『ちはやふる』の制作のお話をいただいたんですが、この作品は原作がとても面白いんです。原作を読むたびに泣いてしまいます…(笑) Q: (笑)。 伊藤:アニメを作るので、何回も見ないといけないんです。だからいつも泣いてしまうんです(笑)。 『ちはやふる』のストーリー展開は、人の心を動かすための手法だと思います。その後、劇場版「ときめき!」をプロデュースしました。東映向け。プリキュアが結婚する? ! 「未来をつなぐ希望のウェディングドレス」当時は私が監督だったので、ストーリーについてコメントすることができました。なので、『ちはやふる』で得た経験を生かして、ストーリー作りに力を入れました。だから、みんなの反応は「とても興味深い」ということになるはずです。それで、アニメーションの鍵をマスターしたと感じました。 Q:あの「プリキュア」の映画は本当に泣けましたね… 伊藤:あ、見ましたか?かなりいい気分ですよね? (笑う) Q:この映画を観たら、誰もが泣かずにはいられないと思いますが…つまり、この映画は『ちはやふる』からインスピレーションを受けて作られたということですか? 伊藤:はい。 『ちはやふる』も同様です。同じセリフでも前半と後半では意味が異なります。これも一つの方法です。 ――ネタバレになるのでこの辺でやめておきますが、「胸キュン!プリキュアが結婚するなんて!?」というのは、確かに『未来をつなぐ希望のウェディングドレス』という本の中でおっしゃっていたことを体感しました。では今回の『オーバーロード』でも、ストーリーの重要さをかなり重視しているんですか? 伊藤:はい。原作がとにかく面白いので、その面白さをそのまま作品に生かすことができたらいいなと思っています。そして、「プリキュア」のように、先に言ったセリフが後で違う効果をもたらすという手法を、今回も最大限に活かしていきました。 Q:具体的には、第4話でモモンガが「無駄なもがきはやめなさい」と言っていましたね。 伊藤:はい。この言葉は元々ニーガンが言った言葉ですが、その後モモンガがそのままニーガンに返しました。また、第 8 話には「私がこれをあなたのせいにするのは、少しわがまますぎる」というセリフがあります。このセリフは、第 9 話の「私はとてもわがままな人間だということを言い忘れていました」というセリフに似ています。これはすごいブラフじゃないですか? (笑)そこがこの作品を作る上でのポイントかなと思います。 Q:先ほど原作の興味深い点について触れていただきました。では、この作品を読んだときの第一印象はどうでしたか? 伊藤:オンライン版を読み始めたのですが、文字の量がすごいなと感じました。当時は、いつ観終わるんだろうって思ってました(笑)。インターネットには物理的な本のような紙のページがないので、テキストがどこで終わるのかは不明瞭です。 「ああ、終わったな。次の話を読んでみよう」と思っていたら、しかし、このとき、その後に続くのは「まったく別の筋書き」だと突然気づきました。これはよく起こります。 Q:章が変わって、別の人物の視点から物語が始まります。 伊藤:そうですね。このまま読み進めていくと、だんだんあらすじがわかってきます。この感覚はとても懐かしいです。この意図的に不親切な制作方法は、「新世紀エヴァンゲリオン」を観たときのことを思い出させました。物語はどこで終わるのだろうと思っていたら、すでに終わりを迎えていた。これは小説では昔からある手法なので、「あ、この手法を使えば物語が面白くなる」と思いました。もちろん、観客が混乱したら、どれくらい長く観続けてくれるかは分かりません。これは注意しなければいけないことですが...私が東映で制作するアニメのほとんどは子供向けです。そのため、「第三者によってプロットが継続的に想起されても、主人公は必ず登場する」という方法が好まれます。でも今回は制作会社が違うので伏線がないと作品の論理が成り立たなくなってしまいます。例えば、あるキャラクターが違和感を与える場合、たとえアニメーションでその違和感の原因を完全に表現できなくても、「その違和感には理由がないわけではない」ということを視聴者に認識させる必要があります。そうしないと、観客はキャラクター設定が奇妙だと感じるだけになります。 Q:なるほど。原作を読んでいない視聴者にとっては、何が起こったのか少しはわからなくても、必ず気づくはずです。したがって、論理的な矛盾は生じません。 伊藤:そうしました。 Q:制作に関してですが、アニメなので作品の媒体を変えなければなりません。どこから始めますか? 伊藤:一番気になるのは「モモンガは本当に人間界に戻りたいのか?」ということです。結局、今期のアニメではカバーしきれない部分が多かったので、原作者と話し合った結果、「戻ることは考えない」という選択をしました。小説ではモモンガの迷いを見せても構わないのですが、アニメでそれを見せてしまうと、ストーリーが停滞していると視聴者に感じさせてしまうので、追加することができません。結局、優先順位の観点から言えば、やるべきことがまだたくさんあります。 Q:原作はまだ連載中なので、モモンガが本当に現実世界に戻りたいのかどうかはわかりません。 伊藤:はい。この点も原作ではすごく重要な部分なのですが、原作では正確に説明されていなかったので、アニメではあまり重視する必要はないのではないかと思います。 Q:塗装に関しては相手側はどうなっていますか?原作イラストを担当したソビンさんの筆致は繊細で、アニメーションで表現するのは難しそうでした。 伊藤: So-binさんの絵はとても魅力的ですが、正直、アニメ化するのはとても難しかったです(笑)。もちろん、私が制作に関わる前から、キャラクターは吉松孝博さんが担当していて、一度スタイルが決まったら変更はありません。 ――吉松さんといえば、これまで『銃神』や『HUNTER×HUNTER』など、マッドハウスの代表作の制作に参加し、主演を務めてきました。 伊藤:はい。今回、彼に役をお願いしてから、彼のスタイルでどんなシーンが出てくるのかな?と思いました。完成品を手にすると、西洋風の強い原作とは違い、優れた日本のアニメーションの要素も取り入れられていることが分かりました。そのため、作品の世界観を再構築するには、「キャラクター」を駆使して表現しなければなりません。そのため、登場人物が勢揃いしているシーンではなく、カメラに映る人物一人一人が存在感を放つように描かれている…とにかく、観客に「このキャラクターは面白い」と思わせる工夫がされていると思います。 Q:確かに、原作のキャラクターをそのまま踏襲すると、形作るのがとても難しくなりますね。 伊藤:そうですね。吉松さんのキャラクターデザインであれば、そのキャラクターをカメラの中に配置した上で、その線の魅力を存分に発揮することができます。 Q:ソビンさんと何かコミュニケーションはありましたか? 伊藤: So-binさんは、私が思い描いていたオリジナルのキャラクターデザインを描いてくれました。私の作品にオリジナルのデザインを100%反映させることはできませんが、できるだけso-binさんのスタイルに沿うように努めています。特に、テキストにはあるがイラストには登場しないキャラクターについては、so-bin がひとつひとつ設定しています。もちろん吉松さんがデザインしたオリジナルキャラクターもいますが、so-binさんのデザイン画を見ながら方向性を調整していきました。例えば、アルベドの鎧もso-binさんのオリジナルデザインです。もちろん、so-binのオリジナル企画なので情報量もかなり多いです(苦笑)。 Q:それは当然ですね。 伊藤:その辺は吉松さんにお任せしていますが、まだまだ整理すべきセリフがたくさんあるんです。吉松さんはアニメのキャラクターデザインをすごく早く思いついたので、本当にすごいです…でもアニメスタッフの中に彼と同等の人はいません。 Q:今ではこんなにセリフが豊かなキャラクターはなかなかいませんよね。これはとても難しいことだと感じるのではないでしょうか? 伊藤:そうですね。第一話を描き始めた時は、自分の描いたモモンガ様の描き方が全然モモンガ様らしくないなと思ってました…。 当初は黒眼の中に赤い光が点滅していたんですが、完成稿がどうなるか全く想像がつかなかったんです。そのため、眼窩がはっきりと描かれていないと、人々に印象を残すことができません。 Q:線画の段階では線が黒く塗られないということですね。 伊藤:そうですね。また、赤い「目玉」の大きさによってもキャラクターの印象が変わってくるので、実際に撮影してみないと分からないという苦労もありました。そのため、アイデア的にはリスの表情は基本的に変えないことにしました。アニメーションの線によりキャラクターの表情が柔らかく見えるため、スケルトン設定でコントラストをつけています。できるだけ表情を変えず、同じ表情で描くように心がけました。 Q:それでも、スケルトンの制作を続けたいのですか? 伊藤:実は、どれだけ頑張ってもカメラには変化がないのかもしれません。ただ、ソビンはノートに「ハンサムなスケルトン」と書いていたことがある。確かにso-binさんの描くスケルトンはカッコいいですね。アニメーションでもこのスタイルをできるだけ維持したいと思っています。 Q:先ほど、基本的に同じ表情を使っているとおっしゃっていましたが、アニメを観ていて、ストーリーによって、とても重苦しい表情になったり、笑っているように見えたりするところがあるといつも感じます。 伊藤:状況によってそういう風に感じる人がいるなんてすごいですね。もちろん影の部分の処理も施してありますが…あとは演技ですね。 Q:ああ!日野聡さんの演技力。表情が変わらないと演技力がとても重要になってきます… 伊藤:アニメ版の声優さんが決まる前に、まずラジオドラマCDを聴いて、正直「ラジオドラマの声優さんに直接やらせたらどうだろう?」と思いました。 (笑)。実際、日野さんが演じることが決まってからは、「これはいけるはずだ」とホッとしました。作画にあたっては、まずはモモンガさんの声を日野さんに担当していただくことを想定して、映像表現の方法を決めていきました。 Q:では、先ほどおっしゃったモモンガの表情を修正するという事は… 伊藤:そうですね。日野さんの演技力を信じているからこそ、この決断をすることができました。声の演技で感情を表現できるので、わざと驚いたり怒ったりした表情をする必要はありません。口は常に開いているわけではなく、わずかに動くだけで、基本的には閉じています。むしろ、日野さんの演技力を発揮する余地を残しておきました。結果的に、このアプローチは非常に良い結果を達成しました。 |
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