アニメ会社の従業員が残業代35万元を請求：従業員の情熱を搾取してはならない

日本のアニメ「海獣の子供」がアカデミー賞長編アニメ映画賞の予備リストに入ったばかりだが、制作会社STUDIO4℃が訴えられるかもしれない。日本のメディアの報道によると、アニメ制作会社STUDIO4℃の男性社員（25歳）が、東京地方裁判所に、同社に約535万円（約35万元）の残業代の支払いを求めて訴訟を起こした。

訴訟は10月10日に起こされ、男性メンバーと弁護士は18日に東京都内で記者会見を開き、状況を説明した。男性は、残業代が支払われないことや長時間労働は同社に限った問題ではなく、アニメ業界ではよくあることだと語った。

訴訟を起こした男性は2016年4月にSTUDIO4℃に正式入社し、2019年5月まで『海獣の子供』のプロジェクトに携わり、進行管理やスタッフ・作画管理関連業務を担当していた。男性は2019年3月に103時間の残業を強いられ、今年6月に会社と交渉したが、会社は「打刻された時間は実際の労働時間ではない」として残業代の支払いを拒否したという。

男性はその後も労働者の権利を守る社会団体を通じて会社と交渉を続けたが、相手は無視した。現在、彼らは法的手続きを開始し、会社を訴えることを選択した。

男性は記者会見で、自分が担当するアニメーターらが自分よりも数倍も残業していたと語った。作品が完成したときには、アニメーターたちが本当に死んでしまうのではないかと心配したほどだった。 「正直、アニメ業界で働いていると、隣に座っている同僚が次の日過労死しないかと不安になります。」

「アニメ業界で働く人は、基本的にアニメや映画が好きなんです。残業代がなくても、自分の仕事に魅力を感じているんです。でも、それは自分の好きなことへの情熱を奪ってしまうので、間違っています。魅力的な仕事だからといって、その仕事に利用されてはいけません。」

訴えられたSTUDIO4℃は日本のメディアに対し、訴状はまだ届いておらずコメントできないと回答した。